真矢さんへ、心からの感謝を込めて

真矢さんご逝去の報を受けてから、一ヶ月余りの時が経ちました。また必ずお逢いできる、ドラムを聴くことができると信じていましたので、本当に残念で、今もまだ受け止めきれずにいるのが正直なところです。

まるで歌うように、高鳴る鼓動のように繰り出されるエモーショナルなドラミングは、
LUNA SEA固有のビートを生む心臓部。稀代のロックドラマーであるのは言うまでもないですが、同時に、神秘的な静寂をステージに出現させ、場内の空気を異世界へと変貌させる厳粛な導き手でもあるという、世界を見渡しても異色の存在ではないでしょうか。

2026年3月12日、振替公演として開催された有明アリーナの「LUNATIC X’MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-」では、真矢さんの身体がそこに無いことに打ちひしがれましたが、いつでも目を閉じて耳を澄ませば、その存在を強く、そして近くに感じることができます。


真矢さんにはたくさんのインタビューやLUNA SEAのライヴ取材、テレビ番組等のコンテンツ収録、配信番組やトークイベントでお世話になりました。たとえ楽屋裏で5分だけというような慌ただしいインタビューであっても、真矢さんは必ず笑いを盛り込み、
「楽しかった」と振り返ることのできる時間にしてくださいました。ことあるごとに「LUNA SEAを好きだから」「SLAVEの皆のことが好きだから」と迷いのない口調で語られていたことも忘れられません。

よく思い出すのは、2017年に公開された『LUV』SPECIAL SITEのオフィシャルインタビューです。アルバムタイトルに関連して“愛の定義”を尋ねたところ、真矢さんは「求めるもの」だと返答なさり、そこからLUNA SEAに対する強い想いへとお話が深まっていきました。読み返すと真矢さんの声色で脳内再生され、その時の真っ直ぐで熱量の高い語りを
ありありと思い出すことができます。

真矢さんの笑いは誰かを傷付けたり嘲ったりするものでは決してなく、人を笑顔にし、場を和ませるものでした。パブリックイメージとしては豪快なキャラクターだったかもしれませんが、数々の取材を通して受けた印象を総括すると、明るさを裏打ちしていたのは限りない優しさであり、心の機微を知り尽くした繊細さ、デリカシーなのではないか?と思っています。


ライヴ密着取材の場合、ライターとしては「お邪魔している」意識が強いため心細さが拭えない中、真矢さんはご挨拶すると必ず名前を冒頭で呼んで返してくださり、そのことが毎回お守りのような安心感に繋がっていました。そこにいることを受け容れていただけている、と。時には「大前ぴょん」「オーマイスパゲッティ(笑)!」などとバリエーションを加え、クスッと笑わせて緊張をほぐしてくださったのも懐かしく、どれもこれも真矢さんの優しさだったと今改めて思います。

手前味噌になりますが、文章を「読んでいると涙が出てくる」と評してくださったのがうれしくて、あぁ、心が伝わったんだな、想いを大切に紡いできて良かったな、とそれまでの全てが報われた気持ちになりました。いただいた言葉を宝物として生きていきます。

一報を受けた瞬間からずっと怒涛の日々で、
立ち止まって考えることができないまま今日まで来てしまいました。ニュースを観るたび世界情勢に絶望してしまうのもあるからか、
以前なら楽しかったはずのことが楽しいと感じられず、昨日と今日の境目が曖昧になっていき、無価値感という薄膜に覆われたまま気が晴れないような、息苦しい日々でした。
仕事に一区切りがつき、張り詰めていた心を解凍してようやく自覚することができたのは、ずっと悲しかったんだ、という率直な気持ちでした。本当に寂しいです。

お仕事を通して真矢さんから多くの大切なことを教えていただきました。インタビューという、人生の長さに比べれば短いながらも濃密な対話の中で受け取ったお言葉の一つ一つを今一度噛み締め、音楽を聴きながら、真矢さんの想いにじっくりと向き合い直す時間を持ちたいと思います。


感謝してもしきれませんが、これまで本当にありがとうございました。
これからもずっと、真矢さんの笑顔が心から消えることはありません。


ご冥福をお祈り申し上げます。  
                              

2026年3月23日 大前多恵